実家じまいを考え始めたものの、「結局、全部でいくらかかるの?」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか?
実家じまいにかかる主な費用は、片付け・解体・売却・相続手続き・税金の5つです。
ただし、すべての費用がかかるわけではありません。
家をそのまま売るのか、解体してから売るのか、相続登記が済んでいるのかなどによって、必要な費用は変わります。
そのため、まずは費用の内訳を知り、自分のケースでは何にいくらかかるのかを整理することが大切です。
この記事では、実家じまいにかかる費用の目安を項目別に解説します。
さらに、手放し方ごとの費用イメージや、費用を抑える方法も紹介します。
実家じまいにかかる費用の目安

実家じまいとは、親が住んでいた実家を片付け、売却や解体などによって手放すことです。
かかる費用は実家の状態や手放し方によって異なります。まずは、主な費用の全体像を確認しておきましょう。
費目ごとの目安
実家じまいにかかる主な費用の目安は、次のとおりです。
| 費目 | 目安 |
| 片付け(業者に依頼) | 10万〜40万円の取引が多い |
| 解体 | 木造で1坪3万〜5万円程度 |
| 仲介手数料 | 売買価格×3%+6万円+消費税が上限(売買価格400万円超の場合) 800万円以下の「低廉な空家等」は、不動産会社との合意により上限33万円(税込)まで引き上げられる特例あり。 |
| 相続登記 | 登録免許税は固定資産評価額の0.4%、司法書士に依頼する場合は別途報酬 |
| 譲渡所得税 | 売却益に対して課税。所有期間5年超なら税率20.315% |
すべての費用が必ず発生するわけではありません。
実家の状態や売却方法によって、必要な費用は変わります。
手放し方によってかかる費目が変わる
実家じまいの総額を考えるうえで重要なのが、実家をどのように手放すかです。
買取では、不動産会社が直接買主になるため、原則として仲介手数料はかかりません。
残置物がある場合や建物の状態が悪い場合でも、そのまま買い取ってもらえることがあります。
仲介では、買主への引き渡しまでに家財を片付けるのが一般的です。
また、物件によっては測量やハウスクリーニングなどの費用が発生します。
建物を解体して更地で売る場合は、解体費や建物滅失登記などの費用も必要です。
また、住宅を解体すると土地に適用されていた住宅用地の特例がなくなり、固定資産税の負担が増える場合があります。
| ケース | 片付け | 解体 | 仲介手数料 | 測量 | 総額の考え方 |
| 買取で売る | 不要な場合がある | 不要な場合がある | 原則不要 | 不要な場合がある | 売主側の費用を抑えやすい |
| 仲介で売る | 原則必要 | 基本的に不要 | 必要 | 必要な場合がある | 売却価格と諸費用をあわせて比較する |
| 解体して更地で売る | 必要 | 必要 | 必要 | 必要な場合がある | 解体費などが加わるため費用が大きくなりやすい |
売却価格だけでなく、売るためにいくら支出するのかまで含めて比較することが大切です。
みんなの実家じまいでは、残置物の片付けから買取、相続登記まで、窓口ひとつでご相談いただけます。
片付けと売却を別々の会社に頼む必要がないため、かかる費用と手間をまとめて比べられます。
ご相談は無料です。実家じまいの費用が気になっている方は、お気軽にお問い合わせください。
親が存命か相続後かでも変わる
実家じまいにかかる費用や税金は、親が存命のうちに手放すか、相続後に手放すかによっても変わります。
親が存命で、親名義の実家を売る場合は相続登記が必要ありません。
また、一定の要件を満たせば、売却による譲渡所得から最高3,000万円を控除できる「マイホームを売ったときの特例」を利用できる場合があります。
一方、親が亡くなったあとに実家を売る場合は、原則として売却前に相続登記が必要です。
その際、登録免許税や、司法書士に依頼する場合はその報酬などがかかります。
なお、相続した実家についても、一定の要件を満たせば「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」により、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる場合があります。
親が存命でも、認知症などによって売却について意思決定できない状態になると、本人だけで売買契約を進めることが難しくなります。
実家を将来どうするのか、親が元気なうちから家族で話し合っておくことが大切です。
参考:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」
片付けにかかる費用

片付けの費用は、自分で行うか業者に依頼するかで大きく変わります。
ここからは片付けの方法によってかかる費用の違いについて解説します。
自分で片付けるときの費用
自分で片付ける場合の主な費用は、次のとおりです。
- 粗大ごみの処理手数料
- 家電リサイクル料金
- ごみを運ぶためのレンタカー代
- 実家までの交通費
エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は家電リサイクル法の対象です。自治体の粗大ごみとしては処分できず、品目やメーカーなどに応じたリサイクル料金がかかります。
粗大ごみの処理手数料も自治体や品目によって異なるため、実家がある自治体のルールを確認しましょう。
また、実家が遠方にある場合は、交通費や宿泊費が何度もかかる可能性があります。処分費だけでなく、必要な日数や移動費も含めて業者に依頼する場合と比較しましょう。
業者に依頼するときの費用
業者に依頼する場合の費用は、物の量や作業人数、建物の状況によって大きく変わります。
総務省行政評価局の調査では、提供を受けた遺品整理サービスの見積書75例のうち、10万円から40万円の間の取引が多いと報告されています。
見積もりに含まれる作業は、仕分けや搬出、処分のほか、清掃まで含むかどうかなど、業者によってさまざまです。
なお、この調査は統計的な手法で集めたデータではないため、参考値として捉えましょう。
また、仕分け・搬出・処分・清掃など、料金に含まれる作業も業者によって異なります。
実際に依頼する際は、複数社から見積もりを取り、金額だけでなく作業範囲まで比較しましょう。
参考:総務省行政評価局「遺品整理のサービスをめぐる現状に関する調査結果報告書」
ハウスクリーニングの費用
実家を仲介で売却する場合、内覧前にハウスクリーニングを依頼することもあります。
費用は清掃する場所や家の広さによって異なり、水回りだけなら数万円程度、空室の家全体を依頼すると数万円〜十数万円程度かかることがあります。
ただし、売却前のハウスクリーニングは必須ではありません。
費用をかけて清掃しても、その分だけ高く売れるとは限らないため、不動産会社に必要性を確認してから依頼するとよいでしょう。
また、現状のまま買い取ってもらえる買取や、建物を解体する場合は、ハウスクリーニングが不要になることもあります。
解体にかかる費用

実家を解体して更地で売却したり、土地として活用したりする場合は、建物の解体費用がかかります。
解体にかかる費用の目安や、解体費用が上がる要因について見ていきましょう。
構造と延べ床面積で変わる
解体費用は、建物の構造や延べ床面積によって大きく変わります。
一般的に、木造より鉄骨造、鉄骨造より鉄筋コンクリート(RC)造のほうが解体費用は高くなる傾向があります。
解体費用には公的な相場統計がありませんが、1坪あたり木造3万〜5万円、鉄骨造4万〜7万円、RC造6万〜8万円程度がひとつの目安とされています。
たとえば、延べ床面積30坪の木造住宅なら、建物本体の解体だけで90万〜150万円程度が目安です。
ただし、実際の費用は立地や残置物、付帯工事などによって変わります。
複数の解体業者から見積もりを取り、内訳まで比較しましょう。
解体費用が上がる要因
次のような条件があると、解体費用が高くなることがあります。
- 道路が狭く、重機が入りにくい
- 家具や家電などの残置物が多い
- 庭木や塀、ブロックなどの撤去が必要
- アスベスト(石綿)の調査や除去が必要
特に注意したいのがアスベストです。
2022年4月1日から、解体部分の床面積が80㎡以上の解体工事では、石綿の事前調査結果を行政へ報告することが義務付けられています。
調査によってアスベストが見つかれば、除去や飛散防止などの費用が追加でかかる可能性があります。
解体後の建物滅失登記
建物を取り壊したら、1か月以内に建物滅失登記を申請しなければなりません。
登録免許税はかかりませんが、土地家屋調査士に依頼する場合は報酬がかかります。
また、固定資産税は1月1日時点の状況で課税されます。解体すると翌年度から住宅用地特例が使えなくなり、土地の固定資産税が上がる場合があるため注意しましょう。
売却にかかる費用

実家の売却では、仲介手数料や印紙税などがかかります。
ただし、仲介と買取のどちらを選ぶか、測量や登記が必要かによって総額は変わります。
仲介手数料
不動産会社に仲介を依頼して売却した場合は、仲介手数料がかかります。
売買価格が400万円を超える場合、上限は「売買価格×3%+6万円+消費税」で計算できます。
たとえば、2,000万円で売却した場合の仲介手数料の上限は72万6,000円(税込)です。
また、売買価格が800万円以下の物件は「低廉な空家等」として、2024年7月1日から報酬の特例が設けられました。媒介契約を結ぶ際に報酬額について合意した場合、不動産会社は原則の上限を超えて、30万円の1.1倍(税込33万円)まで受け取れます。
特例が使われるかどうかは不動産会社や契約によって異なるため、媒介契約を結ぶ前に仲介手数料の額を確認しておきましょう。
一方、不動産会社が直接買主となる「買取」では、原則として仲介手数料はかかりません。
参考:国土交通省「<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ」
印紙税
紙の不動産売買契約書を作成すると、契約金額に応じて印紙税がかかります。
2027年3月31日までに作成される不動産の譲渡に関する契約書には、軽減措置が適用されます。
| 契約金額 | 本則税率 | 軽減後の税率 |
| 100万円超500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
| 500万円超1,000万円以下 | 1万円 | 5,000円 |
| 1,000万円超5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
| 5,000万円超1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
参考:国税庁「No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」
測量費用
土地の境界が確定していない場合は、売却にあたって確定測量が必要になることがあります。
確定測量では、土地家屋調査士などに依頼して境界を確認し、隣地所有者との立ち会いなどを行います。
費用には公的な相場統計がなく、土地の広さや形状、隣接する土地の数などによって異なります。
また、隣地所有者との日程調整などで時間がかかる場合もあるため、売却を考え始めた段階で境界の状況を確認しておきましょう。
抵当権抹消などの登記費用
住宅ローンを完済していても、登記簿に抵当権が残っている場合は、売却にあたって抵当権抹消登記が必要です。
抵当権抹消登記の登録免許税は、不動産1個につき1,000円です。土地と建物の両方に抵当権が設定されていれば、それぞれに登録免許税がかかります。
また、登記簿上の住所や氏名が現在と異なる場合は、売却に必要な所有権移転登記の前提として、住所・氏名の変更登記が必要です。
2026年4月1日からは住所・氏名変更登記が義務化されているため、実家を売却する前に登記簿の情報が現在の内容と一致しているか確認しておきましょう。
司法書士に登記手続きを依頼する場合は、登録免許税とは別に報酬がかかります。
相続の手続きにかかる費用

親が亡くなったあとに実家を売る場合は、原則として売却前に相続登記を行い、実家の名義を相続人へ変更する必要があります。
ここからは、相続の手続きにかかる主な費用について解説します。
相続登記の登録免許税
相続登記では、原則として固定資産税評価額の0.4%の登録免許税がかかります。
たとえば、固定資産税評価額が1,000万円なら、登録免許税は4万円です。
ただし、土地の価額が100万円以下の場合は、2027年3月31日までに行う相続登記について登録免許税が免税になる措置があります。
また、土地を相続した人が相続登記をしないまま亡くなり、次の相続が発生している場合にも、一定の相続登記について免税措置があります。
なお、これらの免税措置は土地が対象で、建物には適用されません。
参考:国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」
参考:法務局「相続登記の登録免許税の免税措置について」
司法書士の報酬
相続登記は自分で申請することもできますが、司法書士に依頼する場合は報酬がかかります。
日本司法書士会連合会が2024年3月に実施した報酬アンケートでは、土地1筆・建物1棟(固定資産評価額の合計1,000万円)の相続登記について、司法書士報酬の平均は74,888円でした。
これは、土地1筆と建物1棟、固定資産評価額の合計1,000万円、法定相続人3名のうち1名が単独で相続するケースを想定した金額です。
登録免許税や戸籍の取得費などの実費は含まれていません。
実際の報酬は、相続人の人数や不動産の数、必要な手続きなどによって変わります。
参考:日本司法書士会連合会「報酬アンケート結果(2024年(令和6年)3月実施)」
戸籍などの取得費用
相続登記では、亡くなった親の出生から死亡までの戸籍など、相続関係を確認するための書類が必要です。
主な書類の手数料は次のとおりです。
| 書類 | 手数料の目安 |
| 戸籍全部事項証明書(戸籍謄本) | 1通450円 |
| 除籍謄本・改製原戸籍謄本 | 1通750円 |
| 戸籍の附票 | 自治体によって異なる |
| 住民票 | 自治体によって異なる |
| 印鑑証明書 | 自治体によって異なる |
| 固定資産評価証明書 | 自治体によって異なる |
相続人が多い場合や、古い相続をさかのぼって手続きする場合は、必要な戸籍の数が増え、その分だけ取得費用もかかります。
また、2026年2月2日からは「所有不動産記録証明制度」が始まっています。
亡くなった親などが登記上所有している不動産を一覧で確認できるため、「実家以外にも親名義の土地があった」といった見落としを防ぐために活用できます。
売却したあとにかかる税金

実家を売って利益が出た場合は、税金がかかります。
ただし、特例を使えば負担を抑えることも可能です。
譲渡所得税
実家を売って得た利益を「譲渡所得」といい、所得税と住民税がかかります。
譲渡所得は、基本的に次のように計算します。
譲渡所得=売却代金-取得費-売却にかかった費用
税率は、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えているかによって異なります。
| 所有期間 | 税率 |
| 5年超 | 20.315% |
| 5年以下 | 39.63% |
※所得税・復興特別所得税・住民税の合計
相続した実家の場合は、相続した日からではなく、亡くなった親が取得した日を引き継いで所有期間を計算します。
また、親が実家を購入したときの金額がわからない場合は、売却代金の5%を「概算取得費」として計算できます。
たとえば、2,000万円で売却した場合の概算取得費は100万円です。取得費が小さくなるほど譲渡所得が大きくなり、税負担も増えやすくなります。
実家を片付ける際は、親が購入したときの売買契約書や領収書などが残っていないか確認しておきましょう。
参考:国税庁「No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」
参考:国税庁「No.3258 取得費が分からないとき」
税負担を軽くできる特例
相続した実家の売却では、条件によって税負担を軽減できる特例があります。
代表的なのが「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」です。一定の要件を満たすと、譲渡所得から最高3,000万円を控除できます。
ただし、2024年1月1日以後の売却で、対象となる家屋や敷地を相続した人が3人以上いる場合は、1人あたりの控除額が最高2,000万円になります。
適用期限は2027年12月31日までです。
また、相続税を納めた人が一定期間内に相続した実家を売った場合は、納めた相続税の一部を取得費に加算できる「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」を利用できることがあります。
適用できるのは、原則として相続開始日の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売却した場合です。
なお、同じ不動産の売却について、空き家の3,000万円特別控除と相続税の取得費加算の特例を重ねて適用することはできません。
どちらも利用できる場合は、税額を比較してから選ぶとよいでしょう。
参考:国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
参考:国税庁「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」
実家を放置するとかかり続ける費用

実家は、誰も住んでいなくても、所有している間は税金や管理費などがかかり続けます。
実家じまいを先延ばしにすると、その間の維持費も積み重なるため、売却や活用の予定がない場合は早めに方針を決めることが大切です。
ここからは、実家を放置するとかかり続ける費用の詳細を解説します。
固定資産税と都市計画税
空き家になっても、固定資産税は毎年かかります。また、市街化区域内など対象となる土地・建物には都市計画税もかかります。
固定資産税の標準税率は1.4%です。
住宅が建っている土地には「住宅用地特例」があり、固定資産税の課税標準は、200㎡以下の部分が6分の1、200㎡を超える部分は一定の範囲まで3分の1に軽減されます。
ただし、適切に管理されていない空き家が「管理不全空家等」や「特定空家等」とされ、市区町村から勧告を受けると、住宅用地特例の対象から外れます。
その結果、土地の固定資産税の負担が大きく増える可能性があります。
参考:総務省「固定資産税」
参考:国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法」
管理や修繕の費用
空き家でも、定期的な換気や通水、草木の手入れ、郵便物の確認などの管理が必要です。
実家が遠方にあれば、現地へ行くための交通費がかかります。
自分で管理できない場合は、空き家管理サービスの利用も検討しましょう。
また、長期間換気や通水をしないと、湿気によるカビや配管の不具合などが起こることがあります。屋根や外壁が劣化して雨漏りが発生すれば、修繕費も必要です。
使う予定のない実家を所有し続けると、こうした費用が毎年積み重なります。
実家じまいにかかる費用だけでなく、「持ち続ける場合にいくらかかるか」も比較して判断しましょう。
実家じまいの費用を抑える方法

実家じまいでは、片付けや解体をすべて業者に任せるのではなく、必要な作業を見極めることで費用を抑えられる場合があります。
実家じまいの費用を抑える具体的な方法を見ていきましょう。
自分で片付けられる範囲を先に進める
業者への依頼費用は、物の量によって変わります。自分で処分できるものは、先に片付けておきましょう。
運び出しが難しい大型家具だけを業者に任せる方法もあります。
片付けを始める前には、通帳や印鑑、権利証など、手放してはいけないものを先に確保しておくと安心です。
複数社から見積もりを取る
片付けや解体を業者に依頼する場合は、複数社から見積もりを取りましょう。
金額だけでなく、処分費や車両費など何が料金に含まれているのか、どのような場合に追加料金が発生するのかまでそろえて比較することが大切です。
総務省行政評価局の調査では、遺品整理サービスについて、追加請求やキャンセル料などをめぐる相談事例も報告されています。
見積書が「一式」とだけ記載されている場合は、契約前に作業内容と料金の内訳を確認しましょう。
参考:総務省行政評価局「遺品整理のサービスをめぐる現状に関する調査結果報告書」
片付け・解体の前に査定を受ける
実家を売る予定なら、片付けや解体にお金をかける前に、不動産会社へ査定の依頼を検討しましょう。
特に買取では、家具や家電などの残置物がある状態や、建物を解体していない状態でも買い取ってもらえる場合があります。
先に片付けや解体をしても、かかった費用以上に売却価格が上がるとは限りません。
まず現状のまま査定を受け、「そのまま売る場合」と「片付け・解体してから売る場合」の条件を比較してから、どこまで費用をかけるか決めるとよいでしょう。
補助金と税の特例を着手前に確認する
自治体によっては、空き家の解体や家財整理などに補助金を利用できる場合があります。
ただし、工事や契約を始める前の申請を条件としている制度もあります。
実家がある市区町村の公式サイトや窓口で、対象となる制度がないか事前に確認しましょう。
また、相続した実家を売却する場合は、要件を満たせば空き家の3,000万円特別控除などを利用できる可能性があります。
補助金や税の特例は、実家じまいを始めてからでは利用できない場合もあるため、片付け・解体・売却に着手する前に確認することが重要です。
実家じまいの費用に関するよくある質問

ここからは、実家じまいの費用に関するよくある質問に回答します。
Q. 実家じまいの費用は誰が払うのですか?
一律の決まりはありません。親が存命の場合は親と相談し、相続後は相続人同士で誰がどの費用を負担するか決めておきましょう。
特に片付け費や解体費など金額が大きくなりやすい費用は、実家じまいを始める前に負担方法を決めておくことが大切です。
Q. 売却代金で費用をまかなえますか?
売却代金が実家じまいにかかる費用を上回れば、売却代金からまかなえます。
ただし、片付け費や解体費などは売却代金を受け取る前に支払うこともあるため、一時的に資金を用意する必要があります。
Q. 見積もりは何社から取るとよいですか?
2〜3社程度を目安に比較するとよいでしょう。
金額だけでなく、作業範囲や追加料金の条件、見積書の内訳までそろえて比較することが大切です。
Q. 実家じまいで相続税はかかりますか?
実家じまいをすること自体に相続税がかかるわけではありません。
相続税は、相続した財産の合計額などが基礎控除「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超える場合に課税されます。
たとえば、法定相続人が子ども2人なら、基礎控除は4,200万円です。
Q. 片付けや解体の費用は、売却時の税金の計算で差し引けますか?
売却のために直接かかった費用は、譲渡所得を計算するときに「譲渡費用」として差し引ける場合があります。
たとえば、仲介手数料や売主が負担した印紙税、土地を売るために建物を取り壊した場合の解体費などです。
一方、修繕費や固定資産税など、維持・管理のための費用は原則として譲渡費用には含まれません。
家財の片付け費用など、売却との関係によって判断が分かれる費用については、税務署や税理士へ確認しましょう。
Q. 売れない実家はどうすればよいですか?
まずは仲介だけでなく、空き家の買取に対応している不動産会社にも相談してみましょう。
それでも手放すことが難しい場合、相続した土地であれば「相続土地国庫帰属制度」を利用できる可能性があります。
ただし、建物がある土地は対象にならないため、申請前に建物を解体する必要があります。また、土地の状態などによっては制度を利用できない場合もあります。
申請時には土地1筆につき14,000円の審査手数料がかかり、承認された場合は原則20万円を基本とする負担金を納めます。土地の種類や面積によっては、20万円を超える場合があります。
参考:法務省「令和3年民法・不動産登記法改正、相続土地国庫帰属法のポイント」
国庫帰属制度を使えない場合や、建物を解体する費用をかけずに手放したい場合は、費用を払って引き取ってもらう「有料引取」という方法も選択肢のひとつです。
みんなの実家じまいを運営するマークスライフでは、建物が残ったままの実家や、山林・農地など国庫帰属制度の対象になりにくい不動産も、引き取りのご相談を承っています。引取料は物件ごとに算出しますので、まずはお気軽にご相談ください。

まとめ

実家じまいでは、主に片付け・解体・売却・相続手続き・税金などの費用がかかります。
ただし、すべての費用が発生するわけではなく、実家をどのように手放すかによって必要な費用は変わります。
たとえば、買取なら売主側で解体や片付けをせずに売却できる場合があり、仲介手数料もかかりません。
一方、仲介は売却前の片付けなどに費用がかかることがありますが、買取より高く売れる可能性があります。
費用を抑えるには、片付けや解体を始める前に査定を受け、現状のまま売る場合と費用をかけてから売る場合を比較することが大切です。
利用できる補助金や税の特例も、事前に確認しておきましょう。
実家じまいにいくらかかるか迷ったら、まずは実家の売却価格と、片付け・解体などに必要な費用を把握し、手元に残る金額を比較するところから始めてみてください。
みんなの実家じまいでは、片付けから買取、相続登記までを窓口ひとつでサポートしています。「何から始めればよいかわからない」という段階でもご相談いただけます。
ご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。